岡山のスーパーマーケットの鮮魚コーナーで今の時期一番広いスペースを占有しているのは、サワラ(鰆)です。
日本全体のサワラ漁獲量は12,864トン(平成24年度)。
http://uub.jp/pdr/fi/etcb_8.html
そのうちおよそ3割が岡山人の胃袋に収まっているそうな。
もちろんダントツの日本一位です。
http://www.okachu.co.jp/okayama_sawara.html
日本の人口が、1億2千万人で、岡山県の人口が200万人ですよ。
わずか1.3パーセントの人たちが、全体の30パーセントも食ってんです!
偏愛って言葉は大袈裟じゃない。
もはやストレンジラブ!
隣県の香川が、うどんストレンジラブなのは有名ですけど・・・
瀬戸大橋を挟んで、こっちにも実はストレンジな人たちがいるんです。
岡山の奇跡、桜井日奈子ちゃんも現在進行系でサワラに食らいついているはず。
むしろあの美貌はサワラで出来ていると言っても過言ではない!(憶測)
どうしてそんなに食べるのか。
せーは、うめーからじゃ!
私は岡山に来るまで、サワラを食べる機会なんて数えるほどしかなかった。
そして食べ方は西京焼き一辺倒。
サワラ・・?
そんなにまずくはないけど、特別美味しいもんでもないよね。
そんなイメージ。
しかし岡山に移住して、そのイメージがガラガラポンと崩れ落ちました。
こんなに美味しい魚を今までノーマークにしてたなんて!
これはつい先日、岡山市街の居酒屋で食べたお刺身の写真です。
左のピンク色の肉がサワラで、右の白い肉はヒラメですね。
岡山の人は、とにかくサワラを生で食べます。
それが一番美味しい食べ方だってことを知っているからですね。
サワラはとても鮮度が落ちやすく、傷みやすいので他府県では、あまり生では食べません。
生で食べる習慣があるのは、岡山以外では、日本海側の地方ぐらいでしょうか。
もともと肉質が柔らかめで足が早く、鮮度が落ちると歯ごたえがなくなって不味いのです。
だから鮮度を誤魔化すために、火を通す料理が主流になってしまったんですね
新鮮なサワラをお刺身で食べると、びっくりする人が結構います。
さっきのお刺身の写真も、大阪のお友達と岡山で会って、食べてもらったんです。
「サワラの刺身なんて初めて食べた!美味い!」
そう言って驚いていました。
サワラは脂がのって、旨みが濃厚です。
柔らかいと思っていた肉質も、鮮度が良いものならば、もっちりとした歯ごたえになるんです。
今はサワラの旬の時期ですから特に美味しいんですよ。
実は岡山のサワラには旬が2回あります。
最初の旬は、「冬」です。
回遊魚のサワラは、冬は日本海側で生息します。
寒ザワラといって、もっとも脂がのった美味しい時期です。
交通の要衝である岡山には、日本海の新鮮な魚が手に入りやすいんです。
話変わりますが、太平洋と日本海と瀬戸内海、それぞれ車で2時間以内にいける都市って岡山以外にあるのかしら。
二回目の旬は、「春」です。
サワラは産卵のため、瀬戸内海に入ってきます。
限界まで栄養を蓄えてやってきたサワラを、目と鼻の先で採ってきて、新鮮なまま食べることができるという美味しい時期です。
鰆という字は、魚偏に春ですから、さもありなん。
昔の人は、瀬戸内海の魚という認識だったのでしょう。
あとこれだけはどうしても伝えたい。
鰆を美味しく食べる方法は、お刺身以外もあるんです。
私が一番オススメする食べ方は、サワラのタタキです。
正直、お刺身より好き。
生のサワラの濃厚な旨みと焼いた表面の香ばしさが合わさって最強です。
大事なことなのでもう一回言います。
最強です!
ただし、食べるなら岡山市内の名のある料理屋にいきましょう。
高級店でなくても良いのです。安くて美味い店はいっぱいあります。
タタキは店によってすごく差がある料理なんです。
それからこれも旨い!
サワラの出汁茶漬け
生のサワラをヅケにしてですね。
大葉と海苔をたっぷり散らして・・・
半分はそのまま丼として食べるんです。
残った半分は出汁茶をたっぷり入れてかきこむ!
幸せ!
ああ、語りつくせない!
サワラを食べに、どうぞ岡山においでませ。