私、本業はソフトウェア技術者です。さらに空き時間で、ブログ書いたり、ものづくり系の副業をしたりしています。
毎日思うことは、本当に時間が足らないんですよね。
これはもう、絶対的に時間が足らんのです!
このままじゃアカン!
時間を生み出す方法を。ドラスティックな効率化を。
そんな私にとって、いま一番興味のある領域へ、どストライクのテーマで書かれた本が出ました。
その名も、
でも、この分野に興味あるの、私だけじゃないと思うんです。
同じように時間が足らない人は、いっぱいいるでしょ?
そんな忙しい毎日を送る皆さんへ、この本の書評をお送りします。
ソフトウェア技術者歴20年の人間に膝を打たせるノウハウ集
この本を読んでいて、目から鱗というか、“フォ〜〜〜”って思わず唸ることが、度々ありました。
私はソフトウェア技術者として20年のキャリアがあります。
パソコンは、普通の人より詳しいし、間違いなくパソコン教室の先生より詳しい。
四六時中、パソコンの前に居るわけですから、当然、効率化も考えてきました。
そんな私ですが、大いにこの本から学ばせてもらいました。
それは、著者のヨスさんが20年間、効率化のことばかり考えてきた歴史があって、そこから厳選してノウハウを詰め込んだ206ページです。
その価値は推して知るべしです。
まず特筆したいのは、紹介されるテクニックの即効性です。
読み始めて1日以内に、読者のパソコン業務の効率性になんらかの改善が入ることになります。
私はそれなりに経験があるから、知っていたテクニックもありました。
でも知らなかったテクニックの方がはるかに多い。
でもそこは重要では無い。
個々の知識の集合では、ノウハウたりえないのです。
どこをどうやって効率化するか。それは99%の実験と1%のセンスだと思うのですよ。
地道におこなった沢山のトライアンドエラーがあるわけです。20年間の生存競争に勝ち残ってきたノウハウ集をわずかな書籍代で手に入れることができる。これはすごいことです。
私は著者のヨスさんの目の付け所に何箇所も膝を打ちました。
発売したばかりの本なので、あまり内容を書きたく無いのですが、さわりだけ。
- パソコンで文字のコピー&ペーストをやるときに書式情報はいらないことがほとんどだと思いませんか?むしろ無かったら効率化できると思いませんか?
- キーボードショートカットを登録したいと思った場合、絶対に他と被らずに自由に登録できるキーは何だと思いますか?
- 文字入力のためのキータッチを限界まで減らすにはどうしたら良いですか?
- 記憶は自分の頭だけにいつまで頼るつもりですか。ネットをもっと活用して脳の記憶容量を飛躍的にアップさせ、必要なときに活用できるようにしたら、機会損失が減って、効率化に繋がると思いませんか?
本書の内容をほんの一部紹介しました。
こういったものこそ、ノウハウだと思うのですよ。
もし言い換えるとするならば、知識というよりも知恵と言うべきでしょう。
あと本書で素晴らしいなと思ったこと。
紹介しているノウハウは絶対的に利用者の多いWindowsが中心なんですが、Macでも同様の効果が得られる方法を巻末付録として付けてくれていることです。
これは本当にありがたい。本業はWindows、プライベートはMacって人、多いと思うんですよ。私もそうですし。
初心者こそ伸び代が大きい
あと私はコンピュータに詳しい人間ですが、そうでなくて詳しくない人や、全く初心者の人がこの本を読んでも恩恵を受けることができます。むしろ初心者こそが大きく活用できる本です。
この本の間口は、とても広いです。
初心者の人が読んでも、理解できるように噛み砕いて説明してあります。
この本の最初のノウハウは、タッチタイピングの仕方や効率の良いファイル名のつけ方といった、本当の初歩の初歩から始まります。
図解も多く、親切丁寧にテクニックを紹介しているので、パソコンに自信の無い人ほどこの本を手にとってみて欲しいと思います。
本当に学ぶべきは思想だ。常に効率化を目指す意識改革だ。
さらに、この本の素晴らしいところは、ただのテクニックのノウハウ集では無いところです。
著者は知識を伝えるのではなく、読者に対し、自分特有のテクニックへ昇華させて欲しいと願っており、効率化に取り組む考え方を伝えようとしているところです。
これをソフトウェア技術者がよく使う言い回し・比喩(メタファー)で
「巨人の肩に乗る」
と言います。
先人の積み重ねた発見の上に、新しい発見をすることを意味します。
例えば、本書のトピックの一つに単語登録の活用があります。
おそらく毎日の仕事で“お疲れ様です。”という文字列をよく入力していると思います。
これを
otukaresamadesu (15文字)
と打つならば、
otu
と3文字打ち込むだけで、「お疲れ様です。」と表示されるようにパソコンの単語辞書に登録しましょう。
こうすれば、5倍も早く目的が達成されますよね。これが単語登録です。
ヨスさんは効率化の意識はそこで止まりません。
本当にこれで効率化できたと言えるのだろうか。
リストから選ぶ工程も効率化できないか。思考が発生した段階でドンピシャの文章になれば、思考を止めずに作業ができるのでは無いか。
ではどうすればいいのか。
こうやって真剣に考えていった思考過程を余すことなく、本書では読者に明かして行きます。
業務効率を上げる方法を自分で考えるクセをつけてほしい。
本書199頁
テクニックやノウハウを学んで終了では勿体無い。
効率化を常に目指す習慣を身につけましょう。この習慣はただパソコンの操作にとどまるものではありません。
まさに意識改革と言えます。
jakoten的まとめ
現在、このブログを書いている最中にも、私は、この本で学んだノウハウを生かしています。
ブログを書くときはどうしてもHTMLを直で編集することが多いです。
もともとキー入力は遅く無いので、HTMLタグも直入力すればいいやと思い、今まで手入力でやってきました。
この状態から、この本で学んだ思考法で、作業の見直しをおこなった訳です。
後から編集するHTMLタグはお決まりのパターンが多かったので、自分流でよく使うHTMLタグの組み合わせを単語登録するようにしました。
結果、ブログのHTML編集は爆速になりました。
これほど即効性と拡張性を備えたご利益付きの本は珍しいと思います。