大阪南港ATCで開催された『メーカーズバザール大阪』に行ってきました。
デジタルものづくりDIYの祭典 メイカーズバザール大阪2016 MAKERS BAZAAR OSAKA 2016年7月9日(土)10日(日)開催
メーカーズバザール大阪ってなんでしょう。主催者の説明を引用するとこのようになります。
『メイカーズバザール大阪』は、自分達でデジタルでオリジナルに製作した「もの」を発表する関西のメイカーズ・イベント(自慢し合って販売するイベント)です。
3Dプリンター、レーザーカッター等の工作機械や電子部品、ソフトウェア開発などに腕に自信のある関西のデジタルものづくり人間=メイカーズが集まります。
あ!これいいね!っていう世界にひとつのアイデア製品、オリジナル製品がてんこもりです。もちろん出展者が会場での即売もOKです!
こんな方々が出展します!
・電子工作や3Dプリンターを駆使してでオリジナルガジェットを作成している方
・電子工作+クラウドでIOTにトライしている方
・3Dソフトでデザインし、3Dプリンターで作品を製作している方
・2Dデータをもとにレーザーカッターで作品を製作している方
・デジタルものづくりやプログラミングを使った教育にチャレンジしている方
・その他、デジタルものづくり(デジタルDIY)に取り組んでいる方
難しい?大丈夫、たくさんの写真で直感的に理解できるようにイベント内容をご紹介します。ものづくりが好きな人はもちろん、ご家族でも楽しめるイベントだと思います。出展者が知恵を絞って作ったアイデア満載のオリジナルガジェットが展示・販売されているわけで、まさにびっくりやワクワクが詰まったイベントなんですね。
年に一度開催されるものづくりの祭典は、今回でもう3回目。段々と注目を増してきていて、今年は来場者が8000人を超えました(主催者発表)。実際に私が現地で見た印象はとにかく家族連れが多い。子供向けにデジタルものづくりが体験 出来るワークショップが多数開催されていますので情操教育にも最適なんでしょうね。未来を担う子供達こそ先端技術と触れ合う場が必要です。そこを強調しているイベントという意味でとても価値があると思うのです。
個性的な出展者たち
会場の入り口近くでまず目に付いたのはスナダデザインさんのブース。3Dプリンタで作った精巧な作品を展示・販売されていました。
こんなんどうやって作ってるんでしょう。柔構造の作品。モフモフです。硬質な樹脂を設計の妙で柔らかく仕上げているみたいです。
はい、タケソプター!私が行った時には既に完売していました。3Dプリンタで作ったハンドルをクルクル回して、ゴム動力で羽がパタパタと羽ばたきます。こりゃ子供に受けるだろうな。ボディがストローなのは試作品だからで、本物は木組みのボディでした。組み立てキットでの販売です。
テルミンですって。昔流行ったんだけど、わかりますかね。手をかざすとミョ〜〜って変な音がする電子楽器。こいつはアームをまわせば音がなるみたいですよ。試さなかったんで推測です。ごめんなさい。
新素材の展示もありました。デニムをPET樹脂で固めていて、風合いと強度を両立させたそうです。レーザーカッターでキーホルダーへ名入れをするサービスをしていました。
3Dプリンターで作ったアイデア小物を展示していたのは、ネクストプロダクトさん。フックに鍵を吊るすとバネが効いて煙突から煙が出たり、旗が立ったりします。繋ぎ目が一切ない構造で1回の3Dプリントで全ての構造物を出力するという高度な技術力を、さりげなく小物に込めていました。
可愛らしい形状が若い女性にウケて、帰る頃には完売となっていたゼンマイスタンド。これも3Dプリンターで製造された製品です。制作販売されていたのは、delight DESIGN代表の吉田周司さん。
ゼンマイスタンドの試作する際の苦労話をいろいろと聞けました。一番前にあるのが完成形で、後ろに並べたものが試作品です。いろんな形状、表面処理方法、3Dプリントの出力方向、何度も何度も試作を作ったそうです。ものづくりは華やかなアイデアでスタートしても、その後は地味で地道な作業の繰り返しです。良いものを作りたいという一心から製品は生まれるんですね。
いろいろと出展者のブースを見て回りました。私の趣味で3Dプリンターやレーザーカッターの見学に偏りましたが、他にも流行中のVR(拡張現実)ソフトウェア(アメリカで爆発的大流行の”ポケモンGO”もVRですね)や、IoT(Internet of Things:モノのインターネット化) 、電子工作の展示も盛んでした。子供達の目が皆真剣で、興味津々に輝いていたことが印象に残りましたね。
新型レーザーカッター "HSG" の衝撃
今回、メーカーズバザールで私が絶対見たかったモノ。それが初めて一般公開される「HSGレーザーカッター」です。本体価格が65万円、運用する際には絶対必要となる集塵&脱臭機が付属しても75万円という目を疑うような低価格です。本格的な25WのCO2レーザーが装備されています。
今までレーザーカッターで業務に耐えうる品質を持つものは、価格が1〜200万円くらいするのが常識でした。
6万円を切る価格で話題になったFabool Laser Miniもありますが、ついているレーザーが半導体レーザーという出力の弱いもの(ベーシックモデルは1.6W)ですから用途が限定されます。例えば透明アクリルの切断や刻印はできません。
強力なCO2レーザーがついて現在最安値の製品は、Smart Laser CO2という製品で、248,000円という安さです。でも自分で組み立てるキット製品になりますけどね。
私は精密機械メーカー(半導体チップや液晶パネルの検査をおこなう大型機械の製造メーカー)にエンジニアとして勤めていたことがあり、機械の組み立て精度というものがどれほど重要か痛いほどよく知っています。
振動を与え続けるとネジって簡単に緩みますし、いろんなところがたわんでくるし、フレームの平行が出ていないと抵抗が大きすぎてモーターが過電流で落ちたりします。鉄の溶接で組んでいた骨組みでは精度が維持できないということで、高剛性の鋳物で作り直したことすらあります。これはちょっと極端な例かもしれません。でもそれくらい機械の剛性、組み立て精度は重要なんですが、組み立てキットでどれくらいのレベルが維持できるんでしょう。趣味の範囲であれば問題ないと思いますが、業務で活かそうと思ったらどうなんでしょうね。
今回、HSGレーザーカッターの実物を初めてみたんですが、第一印象はとてもがっしりしていて、組み立て精度が高そうと感じました。使用している部材も良いものを使っているようです。これは良さそう。レーザーカッターの分野で日本市場における台風の目になる可能性があると思います。これは実際に使ってみたい。私は販売会社のApple Tree株式会社に突撃取材を敢行するつもりです。実際に使ってみて、もっと深く掘り下げたレポートを書きます。いずれブログにあげますので、どうぞご期待ください。
子供達を夢中にさせるワークショップ
このHSGレーザーカッターを使って子供達が喜びそうなワークショップが開かれていました。デニムをカッティングしたピースを組み合わせてシートを作り、その場で自分のデザインしたカバン型をレーザーカッターで切りとり、ミシンで縫い合わせてオリジナルのトートバックができるという体験です。
子供達がレーザーカッターを身近に感じられる素晴らしい取り組みですね。子供達への教育はメーカーズバザールの大きいテーマの一つですから、他にも様々なワークショップが開かれていました。子供向け三次元CAD教室なんてのもありまして、こんなのはむしろ子供達の方が飲み込みが早そう。
まとめ
メーカーズバザール大阪の雰囲気は伝わりましたでしょうか。とてもたくさんのお客さんが訪れて大盛況のまま終幕しました。本当は私も出展側で参加したいと思っていたんですよ。次回開催は1年後です。
しかし他にもものづくり関係のイベントは続々と予定されているんですよ。例えば工芸やアート、手作りアクセサリーなどをMinneやCreemaで販売するハンドメイドブームが盛り上がっていることはご存知でしょうか。Handmade MAKERS’というイベントが11月に横浜で開催されるという情報が入ってきています。
今なら出展者としての参加も可能なようです。アクセサリー作りに自信のある奥さん、参加を検討してみてはいかが?
私は常にものづくりの世界をウォッチしており、今後も積極的に情報発信していきたいと思っています。どうぞこのブログをフォローしてくださいね。読者登録もお待ちしております。
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